メニュー

骨粗しょう症

骨粗しょう症とは?

骨の量の目安となる骨密度は成長期に上昇し、男女とも20歳ごろにピークに達します。
その後、40歳代ごろまでは維持することができますが、年齢を重ねるにつれて骨の量は徐々に減少していきます。
特に女性の場合は閉経を契機にホルモンのバランスが変化し、急激に骨量が減少しやすくなります。

このように、骨の密度が低下してスカスカな状態となり、もろくなって骨折しやすくなる病気のことを「骨粗しょう症」と言います。

骨粗しょう症は病気そのものによる症状はほとんどありません。
しかし、ちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。
例えば

  • くしゃみや咳をした時
  • 重いものを持ち上げようとした時
  • 転んで手や尻餅をついた時

などに、

  • 背骨(せぼね)の圧迫骨折
  • 橈骨遠位端骨折(手首の骨)
  • 大腿骨頚部骨折(太ももの付け根の骨)

等を引き起こす可能性が高くなります。

骨粗しょう症の原因は?

骨には体を支える以外にも「血液中のカルシウムやリン酸を一定にするための貯蔵庫」という役割があります。
体に必要なカルシウムの99%は骨で貯蔵されており、残りの1%が血液中で循環しています。

「カルシウム=骨」という印象が強いですが、カルシウムイオンは神経をはじめ全身のバランスを保つ大切なミネラルの1つです。
血液中のカルシウムが低下すると、しびれ感やテタニー(手指の不随意な筋収縮)をはじめとする様々な全身症状が現れます。

また、血液中のカルシウムが不足すると、骨で貯蔵されたカルシウムが溶け出し不足を補います。
その結果、骨のカルシウムが減り骨密度が低下します。

骨粗しょう症の原因はいくつかありますが、主なものとしては以下が挙げられます。

  • 加齢による骨量の減少
  • 女性ホルモンの減少
  • ビタミンDやカルシウムの不足
  • 運動不足
  • 喫煙
  • 過剰なアルコール摂取
  • ステロイド薬の長期内服

これらの要因が組み合わさることで、骨粗しょう症が引き起こされます。

骨粗しょう症の治療法

骨粗しょう症の治療法には、大きく分けて三つあります。

薬物による治療

従来から、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどの骨の栄養素や、骨が壊されることを抑制する薬剤が多く使われています。
さらに、最近では患者様の骨の状態によって最適な薬剤を選ぶことができるようになってきています。
しかし、せっかく新しい薬剤が開発されても、約半数の方が1年で処方どおりに服薬しなくなり、 5年後には約半数の方が服薬を辞めてしまうと言われています。
骨粗しょう症による骨折を防ぐためには、治療を継続することが何より重要です。

運動による治療

運動をすることによって筋力が増し、さらにバランス感覚が良くなって転倒しにくくなることが期待されます。
最近は、運動器の障害による要介護の状態や要介護リスクの高い状態であるロコモティブシンドローム(運動器症候群)の対処法として、ダイナミックフラミンゴ療法が注目されてきています。
この療法では、片方の脚で左右各1分間立ち、これを1日3セット実施することが望ましいとされています。
この動作を行うことで、脚の付け根の骨には53分歩いたのと同じ効果があると言われています。
しかし、転倒しないように注意が必要です。

食事による治療

骨にかかわる成分としては、ビタミンKやタンパク質などが必要です。
また、骨を構成する重要な成分の一つであるカルシウムを吸収するためにはビタミンDが必要です。
したがって、カルシウムをはじめバランスのとれた栄養を摂取することが大切です。
また、治療のために必要なカルシウムの量としては、一日当たり男性700~800mg、女性650mgが推奨されていますが、摂取のしすぎには注意が必要です。

骨粗しょう症を予防するために

骨を丈夫にする、つまり骨粗しょう症を予防するために運動は欠かせません。
運動をすることによって骨密度が増加することがわかっており転倒予防の効果もあります。
骨を守るための効果的な運動は、バレーボール、バスケットボール、縄跳び、ジョギングなどの衝撃や負荷の大きい運動です。
また、閉経前の女性では、1日50回のジャンプで骨密度が上がったとの報告もあります。

しかし、高齢の方の場合は腰やひざを痛める可能性があるため、背筋運動、片脚立ち、スクワット、ウォーキングなどがお勧めです。
まずは安全な運動で足腰を鍛えることから始め、筋肉がついてきたらほかの運動にも挑戦していきましょう。

検査と段階にあった治療を

骨粗しょう症が疑われる場合は検査を行い、段階にあった治療をしていく必要があります。
骨粗しょう症の主な検査には以下のような項目があります。

問診

医師から骨粗しょう症に関する質問があります。現在気になっている症状に関すること以外にも、閉経時期や病歴、食事や運動、生活習慣に関することなど。

骨密度検査

「骨密度」は、骨の強さを判定するための代表的な指標です。
当院の骨密度検査はDEXA法と呼ばれ、腰椎(腰の骨)と大腿骨(太ももの付け根)の二か所で微量なX線を用いて測定を行い、若い人の骨密度の平均値と比べて自分の骨密度が高いか低いかを調べます。

レントゲン検査

主に背骨(胸椎や腰椎)のX線写真を撮り、骨折や変形の有無を確認します。
骨粗しょう症と他の病気とを区別するためにも必要な検査です。

身長測定

25歳ごろの身長と比べどのくらい縮んでいるかは骨粗しょう症を診断するうえでの指標になります。

血液検査

骨代謝マーカーという血液検査によって、骨の新陳代謝の速度を知ることができます。
【骨吸収】を示す骨代謝マーカーの高い人は骨密度の低下速度が速いことから、骨密度の値にかかわらず骨折の危険性が高くなっています。
また、【骨形成】を示す骨代謝マーカーの低い人は新しく骨が作られにくくなっており骨密度の低下速度が速いと考えられます。
この検査は、骨粗しょう症治療の最適な薬剤を選択するのに非常に有用です。
また血液検査には骨粗鬆症を他の病気と区別するために行う意味もあります。

「最近背中や腰が曲がってきた」「体のゆがみが気になる」「自分の骨密度がどれくらいなのか把握したい」など、どんな悩みでも構いません。
お気軽に当院までご相談ください。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME