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股関節の痛み

股関節は、日常生活の機能に欠かせない役割を果たしている私たちの体の重要な関節の一つです。
股関節には靭帯や筋肉が数多く付いており、立つ、歩く、飛ぶ、蹴る、あぐらをかくなどの動作ができるよう、関節の構造と機能を常に正常にしておく必要があります。
股関節の正常な機能を維持するために、適切な運動や姿勢の保持、適度な負荷などを意識することが重要です。

ここでは股関節の痛みを引き起こす代表的な病気の例を二つ挙げ、原因や治療法、予防法についてご紹介します。

股関節の痛みを引き起こす代表的な病気

変形性股関節症

変形性股関節症は、大腿骨と骨盤との間にある軟骨がすり減り、炎症、そして痛みを発症させる病気です。
骨と骨の接合部のずれが軟骨の状態を悪化させていきます。
原因は様々ありますが、加齢と共に進行して発症するケースが日本では多く見られます。
また、女性に多い病気であることも特徴の一つです。

主な症状は、関節の痛みと機能障害です。
股関節は鼠径部(そけいぶ・脚の付け根)にあるので、最初は立ち上がりや歩き始めに脚の付け根に痛みを感じます。

症状が進行するとその痛みが強くなり、場合によっては痛みが持続したり、夜間にも痛みが出ることに悩まされたりします。
日常生活では、足の爪切りがやりにくくなる、靴下が履きにくくなる、和式トイレ使用や正座が困難になるなどの症状が見られます。
また長時間立ったり歩いたりすることがつらくなるので、階段や車・バスの乗り降りにも手すりが必要になります。

股関節唇損傷

股関節唇とは股関節の臼蓋(きゅうがい・お椀のような形の受け皿)のまわりを取り囲んでいるリング状の軟骨のことを言います。
股関節はボールとソケット(受け皿)とで成り立っています。
ボールにあたる大腿骨頭をつつむソケットの部分を、この股関節唇という軟骨組織が取り囲んでおり、股関節の安定化や衝撃吸収の役割を果たしています。
関節唇損傷が生じると骨頭が安定しなくなり、次第に軟骨が破壊されてすり減っていき変形性関節症が進行する原因になると考えられています。

ゴルフやサッカー、バレエ、ランニング、ソフトボールなどのスポーツが原因で生じることや、生まれつき股関節の受け皿が小さい臼蓋低形成においても生じやすくなります。
また、交通事故や転倒、落下などの衝撃でも生じるとされています。

痛みの治療法

保存的な治療法

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

痛みや炎症を軽減するために処方されることがあります。

物理療法

冷却療法、電気療法、マッサージ、ストレッチング、強化運動などを行うことで痛みを軽減することができます。

サポート具の使用

杖、歩行器、装具などを使って股関節への負担を軽減することができます。

関節内注射

ステロイド注射

炎症を軽減し、一時的に痛みを和らげる効果があります。

ヒアルロン酸注射

関節内の潤滑性を改善し、痛みを緩和する効果が期待されます。
*当院で採用しているヒアルロン酸注射製剤は股関節内注射への保険適応ではないので、自費請求となります

外科的な治療法

関節形成術

股関節形状の修正や骨の整形を行う手術です。

関節置換術

摩耗した股関節を人工関節で置換する手術です。重度の変形性股関節症の場合に考慮されます。

股関節の痛みの予防法

適切な体重管理

過体重や肥満は股関節に余分な負荷をかけるため、体重を適切な範囲に保つことが重要です。
バランスの取れた食事や適度な運動を通じて体重を管理しましょう。

適度な運動

適度な運動は股関節の筋力や柔軟性を維持し、痛みを予防するのに役立ちます。
低衝撃の運動や筋力トレーニング、柔軟性を促進するストレッチなどを積極的に取り入れましょう。

適切な姿勢の保持

正しい姿勢を保つことは股関節の負担を軽減し、痛みの予防につながります。
座る際には背筋を伸ばし、歩く際にも姿勢を意識しましょう。

過度な負荷や過度な活動の回避

長時間の立ち仕事や高負荷のスポーツ活動は股関節に負担をかける可能性があります。
適度な休息や負荷の調整を行い、過度な負荷や活動を避けるようにしましょう。

ケガ予防対策

スポーツや日常生活でのケガを予防するために、適切な装具や保護具の使用、正しいフォームやテクニックの習得が重要です。
ケガを予防することは股関節の健康を守るために大切です。

継続的なケアと定期的な健康チェック

股関節の健康を維持するために、定期的な健康チェックや適切なケアを行いましょう。

医師の診断やスクリーニングを受けることで、早期に問題を発見し対処することができます。

股関節の痛みを減らす、無くしていくためには、股関節にかかる負担をできるだけ減らす工夫を行っていくことが大切です。
個人の状況やリスク要因に応じて日常生活の中での意識的なケアや健康な生活習慣の維持が必要となります。

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