メニュー

健診(小児・学校等)

各ライフステージにおいて必要な健康診断を受けることは、その後の生活をより健康的に過ごすために不可欠です。
ここでは、各ライフステージにおける健診にて問題のある項目として挙げられることの多い病気を取り上げて健診の内容や治療方などについて詳しくご説明いたします。

先天性股関節脱臼

先天性股関節脱臼は、赤ちゃんの股関節の正常な発達や形成が妨げられることによって起こります。
一般的には、赤ちゃんの子宮内での姿勢や成長の過程で股関節の発育に影響を及ぼす要因があった場合に発生します。

乳幼児健診によって見つかる場合が多い

「乳幼児健康診査」が正式名称ですが、「乳幼児健診」や「乳児健診」と呼ばれることが多いです。
生後間もない赤ちゃんの健康の保持及び増進を図ることを目的とし、発育・栄養状態の確認、先天的な病気の有無・早期発見、予防接種の時期や種類の確認など、必要な項目を定期的にチェックします。

先天性股関節脱臼は、生後3~4ヶ月健診の際に気をつけるべき病気です。

先天性股関節脱臼が疑われた場合には、まず股関節の開き度合や膝の高さ、太ももの皮膚のしわの場所に左右差がないかをチェックします。

また、レントゲンや超音波検査を併用して股関節が正常な位置にあるかを確認します。

先天性股関節脱臼の治療法

新生児や幼児期の治療の場合は、軟骨が柔軟であるため股関節を正常な位置に保持するために特殊な装具やギプスを使用します。
装具やギプスは定期的に調整され、股関節の発育の妨げにならないようにします。
この保存的治療は、できるだけ早期に行われることが重要です。

重度の先天性股関節脱臼や保存的治療が効果的でない場合、手術が必要となることがあります。
その際は専門の医療機関にご紹介させて頂きます。

側弯症

側弯症(そくわんしょう)とは背骨が左右に弯曲した状態で、背骨自体のねじれを伴うこともあります。
通常、小児期にみられる脊柱変形を指します。
左右の肩の高さの違い、肩甲骨の突出、腰の高さの非対称、胸郭(きょうかく)の変形、肋骨や腰部の隆起(前かがみをした姿勢で後ろから背中をみた場合)などの変形が生じます。
側弯が進行すると、腰背部痛や心肺機能の低下をきたすことがあります。

側弯症は成長期の子供や思春期の若者に発症することが多く、女性によく見られます。
そのため、学校の定期健康診断などで側弯症を指摘されて受診するという方も多くいます。

側弯症の治療

  1. 診断と評価
    側弯症を疑う症状や身体の異常がある場合は当院を受診していただくことで、適切な診断と評価を行います。身体機能検査、姿勢評価、レントゲンなどの画像検査を行います。
  2. 軽度な場合の経過観察
    軽度の側弯症で症状や姿勢の変化が少ない場合、経過観察が選択されることもあります。定期的なフォローアップを受けながら、成長に伴う変化や進行の有無を確認します。
  3. 保存的治療
    症状や側弯の進行が進んでいる場合、保存的治療を行います。これには、理学療法や運動療法が含まれることがあります。専門家の指導のもとで行われる筋力トレーニング、ストレッチ、姿勢の訓練などによって筋肉のバランスを改善し、側湾の進行を遅らせることが目指されます。
  4. 装具治療
    側弯症が進行している場合や成長期の子供には、装具治療が適用されることがあります。具体的な装具(ブレースやコルセット)は症状や側湾の程度に応じて選ばれ、一定の時間着用することで姿勢の矯正や側湾の進行の抑制を目指します。
  5. 手術治療
    重度で進行性の側弯症の場合、手術治療が検討されることがあります。手術は最終的な手段であり、成長期が終わった後に行われることが一般的ですが、場合によって小児~成長期の患者様にも行われることがあります。手術の目的は、側弯の矯正や安定化、症状の軽減を実現することです。手術方法は個人の状態によって様々ですが、背骨に金属を挿入して変形を矯正する術式が一般的です。

ロコモティブシンドローム

ロコモティブシンドロームは、高齢者に見られる運動器の機能低下のことを言います。
加齢や生活習慣の変化によって、筋力の低下、関節の可動域制限、骨密度の減少などが進み、身体の動作や日常生活に支障をきたします。

具体的な症状としては、歩行困難、関節の痛みやこわばり、筋力の低下、バランスの悪化、骨折のリスクの増加などが挙げられます。これらの症状は、日常生活の活動性や生活の質に大きな影響を与えることがあります。
「片足立ちで靴下が履けなくなった」「信号が変わる前に横断歩道を渡りきれない」などに心当たりのある方は一度当院へご相談ください。

立ち上がりテスト、2ステップテスト、ロコモ25という3つの簡単なテストでロコモティブシンドロームに当てはまるかをチェック致します。

主な治療法

  1. 適切な運動療法
    筋力トレーニング、バランス改善、有酸素運動などを組み合わせた運動療法が基本となります。専門家の指導のもとで個別にプログラムを作成し、定期的に運動を行うことで筋力や関節の機能を改善し、ロコモティブシンドロームの進行を抑えることが目指されます。
  2. 栄養バランスの改善
    適切な栄養摂取を行うことも重要です。カルシウムやビタミンDなどの骨の健康に必要な栄養素をバランスよく摂取することで、骨密度の低下を防ぎます。また、適切な量のたんぱく質を摂取することで、筋力の低下を防ぎます。
  3. 薬物療法
    痛みや関節の炎症を軽減し運動のモチベーションを保つために、医師の指導のもとで適切な薬物療法が行われる場合もあります。
  4. 日常生活の見直し
    歩行や移動の安全性を確保するために、生活環境の改善や補助具の使用など、日常生活の見直しも重要です。

ロコモティブシンドロームは早期発見と適切な治療・予防がとても重要です。
定期的な健康診断を通じて、自身の運動器の状態を把握し、早めの対策を行うことが大切です。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME