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肩の痛み

スマートフォン、パソコンなどを日常的に使う現代の生活では、どうしても肩がこりやすい姿勢を日常的にとってしまっています。
肩こりがひどいと、体全体の血流が悪くなり、頭痛、耳鳴り、めまいなどを引き起こす恐れもあります。
また、その他にも加齢や外傷が原因で肩の痛みを引き起こす可能性があります。

ここでは、肩に痛みが生じる原因や考えられる疾患、痛みの対処法、予防法などについてご紹介します。

肩の痛みを感じる原因

加齢によるもの

肩の痛みを引き起こす代表的な原因の一つに、加齢が挙げられます。
年をとることで、体の中の骨や筋肉、関節、靭帯などが弱くなり、肩の筋肉に負担がかかりやすくなります。
特に、重い頭を支えている胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)や僧帽筋(そうぼうきん)の筋肉の量が減少すると血行不良が起きやすいため、筋肉量が少ない高齢者や女性は首や肩のこり、痛みなどが生じやすいといわれています。

重度のストレスや過度の使用

長時間のデスクワークや肩を負担するスポーツ、肩への反復動作などによって、肩の筋肉や組織にストレスがかかり、痛みが生じることがあります。

外傷によるもの

肩関節の周囲の靭帯や筋肉が急激な動きや外力によって損傷を受けたり、肩関節が正常な位置からはずれ、脱臼することで肩の痛みが生じることがあります。
これは、スポーツの怪我や事故によって引き起こされることがあります。

肩の痛みを引き起こす代表的な病気とその症状

肩関節周囲炎

肩の周りの腱板(けんばん)や滑液包(かつえきほう)が炎症を起こす病気です。
あくまで一つの疾患でなく、肩関節に炎症が生じる疾患の総称と言えます。
40~65歳に好発し、特に50歳頃に多く見られ、一般的に『四十肩』『五十肩』と表現される場合があります。
痛みは、肩から腕にかけての部分に強く現れることが多く、肩の上げ下げや腕を後ろに回すような動作をしたときに痛みを感じることがあります。

腱板損傷

腱板損傷とは肩の腱板(Rotator cuff)と呼ばれる4つの筋腱(肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋)の損傷や炎症を指します。
これらの筋腱は、肩関節を安定させるために重要な役割を果たしています。

腱板損傷は、以下の2つの主な形態に分類されます。

部分的な腱板損傷(Partial Rotator Cuff Tear)

腱板の一部が損傷を受ける状態です。
この場合、腱は部分的に断裂したり、破れたりしています。

完全な腱板損傷(Full-thickness Rotator Cuff Tear)

腱板の完全な断裂または破裂が起こる状態です。
腱が完全に切れてしまい、肩の運動に大きな制限が生じます。

腱板損傷の原因はさまざまですが、一般的な要因としては肩への直接的な打撃や転倒、長時間の肩への負荷や反復動作、年齢による腱板の柔軟性や強度が低下などがあります。

変形性肩関節症

肩の関節の軟骨や骨がすり減って変形し、痛みや運動制限を引き起こす病気です。主に50歳以上の人に多くみられますが、若い人でも発症することがあります。
痛みの原因は、肩の関節面の軟骨がすり減って、骨が骨に直接接触することで、炎症が生じることによります。
肩関節周辺の筋肉が弱くなると、肩関節にかかる負荷が増え、症状が悪化することがあります。

石灰沈着性腱板炎

石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)とは、肩の腱板に石灰が沈着して、炎症を引き起こす病気です。
主に40~60歳代の女性に多くみられ、肩の上げ下げなどの動作によって痛みを感じることがあります。

石灰沈着性腱板炎の原因は、はっきりとはわかっていませんが、加齢によるものや肩関節の過度な使用、糖尿病、高血圧などの生活習慣、食生活の乱れなどの要因が関係していると考えられています。

以下は、病院を受診すべき肩の痛みに関する一般的な症状の一部です。
ただし、個々の状況によって異なる場合があります。

  • 激しい痛みや慢性的な痛みがある
  • 突然の怪我や外傷による肩の痛み
  • 肩の可動域が制限されている場合
  • 肩を動かすときにクリック音やカクッとした感触がある場合
  • 痛みに加えて腫れや熱感、赤みがある場合
  • 肩の筋力や機能の低下を感じる場合

肩の痛みの治療法

肩の痛みの治療法は、その原因や症状によって異なります。
以下に一般的な肩の痛みの治療法を詳しく説明しますが、具体的な治療方法は個別の症状や医師の診断に基づいて決定されます。

保護と安静

肩の痛みが強い場合や怪我がある場合は、肩を保護し安静にすることが重要です。
肩に過度の負荷やストレスをかけないようにし、痛みを引き起こす活動や動作を避けます。

物理療法

物理療法は肩の痛みの緩和と回復を促進するために使用されます。
これには以下のような方法があります。

温熱療法

温かいタオルや温湿布を使った温熱パック、温水浴、または温めるクリームやジェルを利用します。
これにより、筋肉の緊張を緩和し、血流を促進することができます。

冷却療法

氷や冷却パックを使った冷却療法は、炎症や腫れを軽減し、痛みを和らげるのに役立ちます。
適切な方法で冷却を行うことが重要です。

電気療法

電気刺激や超音波などの電気療法は、筋肉の緊張を緩和し、痛みを軽減するのに役立ちます。

薬物療法

痛みや炎症を軽減するために、医師によって処方される薬物が使用されることがあります。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

痛みと炎症を軽減するために処方されます。

筋弛緩剤

筋肉の緊張を和らげるために処方されることがあります。

筋力トレーニングと運動療法

物理療法士やリハビリテーション専門家の指導の下で行われる筋力トレーニングと運動療法は、肩の筋肉を強化し、適切な姿勢や動作を促進します。

注射療法

重度の痛みや炎症がある場合には、医師によってステロイド注射や関節内注射が行われることがあります。
これにより、炎症を抑え、痛みを軽減することが期待されます。

手術

肩の痛みが重篤で他の治療法が効果的でない場合、手術が必要な場合があります。
手術の種類は状況によって異なりますが、腱板修復手術や関節形成術などが行われることがあります。

肩の痛みの予防法

肩の痛みを予防するためには、以下のような対策を取ることが重要です。

適切な姿勢を保つ

長時間のデスクワークや携帯電話の使用などで、肩が前に突き出したり丸まったりする姿勢になりがちです。
正しい姿勢を保つためには、背筋を伸ばし、肩を下げ、姿勢を意識して座る・立つ・歩くようにしましょう。

プロパーリフティングの実践

重い物を持ち上げる際には、正しいリフティングのテクニックを使いましょう。
両手で均等に持ち、膝を曲げて腰に負担をかけずに力を入れることが大切です。

適度な運動とストレッチ

肩と周辺の筋肉を強化し、柔軟性を保つために、適度な運動とストレッチを行いましょう。
肩の周りの筋肉を特に重点的に鍛えるエクササイズを取り入れると良いです。

過度な負荷や反復動作の制限

肩に長時間の重い荷物をかけたり、同じ動作を繰り返したりすることは肩の負担を増加させる可能性があります。
必要であれば休憩を取ったり、作業を分散させることで肩への負担を軽減しましょう。

ストレス管理

ストレスは肩の緊張を引き起こす可能性があります。
ストレスを適切に管理するためには、リラクゼーション法やストレス解消法を取り入れることが重要です。

適切な睡眠環境

快適な寝具や適切な枕を使用し、良質な睡眠を確保しましょう。
首や肩に適切なサポートを与えることで、肩の痛みを予防することができます。

バランスの取れた食事

適切な栄養を摂取し、体重を管理することも肩の負担を軽減するのに役立ちます。

肩の痛みは慢性化する場合もあるため、症状が続く場合や日常生活に支障がある場合には、当院までご相談ください。

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